狭小住宅って実際どうなの?敷地面積40㎡・約12坪の土地に【2年住んでみた感想】

こんにちは、狭小敷地の家に住んでいる091です。
5m×8mほどの狭い敷地に駐車場も詰め込まれた、屋上付きの3階建ての家に住んでいます。

狭小(きょうしょう)住宅とは

狭小住宅について明確な定義はありませんが、おおよそ15坪・50㎡以下の土地に建てられる住宅のこと。

今の家を探した時の条件は、「駐車スペースあり」「駅近」の2つでした。
1年ほどゆっくり探して今の家を見つけた瞬間、すぐに内覧をしてほぼ即決で申し込みました。
即決の理由は、価格の安さ。
希望の広さに対して、相場より安いお値段で出ていました。

安さの理由は、土地の狭さです。
本日は狭小敷地に興味のある方に向けて、狭小敷地のアレコレを書いてみたいと思います。

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東京は土地が高い!

この記事はこんな方におすすめです▼

  • 狭小住宅に興味がある方
  • 狭い土地に家が建つか気になる方
  • 家が欲しいけど土地が高くて困っている方
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狭小住宅|正直な感想

まずは、正直な感想です。
狭小住宅に実際住んでみて、どんな感じなのかご紹介します。

○|総合的には満足

今の家の決め手は、お値段でした。
でも、シンプルな平面形状、建売には珍しいパーツ、屋上からの光なども気に入った点です。
狭い脱衣所を緩和するために浴室がガラス張りになっていたり、下階まで光を入れるためにスケルトン階段になっていたり、南北両サイドに窓があったりと、狭小住宅ならではの工夫が詰まっているので、思ったより快適というのが正直な感想です。
もちろん、駅近かつ駐車場付きという利便性を買ったようなものなので、お出かけもしやすく、徒歩圏内の暮らしも充実しています。

×|生活動線は複雑

我が家は一階がお風呂、二階が洗面所とトイレ、三階がキッチンと洗濯機置き場と、なかなか複雑な生活動線になっています。

関連記事 洗濯がラクな家にしたいなら、細分化して改善しよう。

住んでみると、狭小敷地なのに良く考えてるなーと思うのですが、やっぱり平屋には劣ります。
暮らしやすさを考えると、水回りは1フロアに集めて、洗面所もキッチンもお風呂も近いのがベストだと思います。

×|終の住処には向かない

狭小住宅は必然的に二階三階建てになるので、階段が必須です。
特に一階を駐車場にしたいとなると、リビングは二階や三階に。
足が不自由になったら介助者がいないと生活できなくなります。
若い時でも、足を骨折したらだいぶ不便です。
車椅子になると上階に上がれないので、狭小住宅は健康な間しか住めないと思っておいた方が良いです。

×|大きな家具・家電の搬入には要注意!

狭小住宅は居住空間をできるだけ大きくするために、廊下や階段は最低限の幅になっています。
なので、大型の家具は窓からの搬入を検討する必要があります
我が家がこの家に引っ越した時は、旧居から近距離だったこともあり自力で(!)引っ越しました。
冷蔵庫や洗濯機などはファミリー用にしては小型なのでなんとか三階に持って上がれましたが、買い替えが不安です。
階段を曲がれなかったベッドの枠は、二階に持ち上げるのを断念して納戸に置かれることになりました。

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◎|ローンの負担が軽い

デメリット多めですが、やっぱり一番のメリットは金額です。
羅列したマイナス面を払拭するほどの利点です。
駅徒歩3分・駐車場付き・広さ80㎡超と考えると、格安の物件でした。
購入後も近隣の不動産情報はチェックしていますが、同等の条件はほぼありません。
前に住んでいた50㎡のマンションのローン+管理費・修繕積立金にプラス1万円くらいの金額で、駐車場付きの戸建てに住めています。

狭小住宅|土地の条件で気をつけるポイント

手放しではおすすめできない狭小住宅について、土地の観点で気をつけるポイントをご紹介したいと思います。

ポイントをまとめると以下の通りです▼

  • 建ぺい率・容積率・高さ制限ができるだけ「緩い」地域で土地を探す
  • できるだけ整形の土地を探す

ポイント①|条件が緩い土地を探す

土地には建築基準法や都市計画法などで規制がかかっていて、

  • 建ぺい率:1フロアの面積の上限
  • 容積率 :延床面積の上限
  • 高さ制限:高さの上限

が決まっています。

不動産情報サイトでは物件ごとにその敷地のデータ載っているので、最初にチェックしておくことが大切です。
数字が大きいほど規制が緩いので、狭小敷地を使い切りたいならできるだけ大きい数字のエリアを探したいです。

ポイント②|できるだけ整形の土地を探す

狭い土地なので、デッドスペースはできる限り小さくしたいです。

変形より整形の土地を探す

変形の敷地だと、建物を建てた時に使えない地面ができる可能性があります。
変形の土地形状そのままの建物にする手もありますが、住むのに難易度は上がることになります。

ただし敷地形状を利用して面白い建物ができる可能性はあるので、建築家目線ではありだと思っています。

細長いより正方形に近い土地を探す

基本的には、民法234条により外壁面は敷地境界から50cm以上離さないといけないことになっています。
長い辺があると、削られる面積が大きくなるのでできるだけ整形に近い土地の方が使える面積は広くなります。
長辺の方向によっては、斜線制限も余計にかかることもあります。

ただし「50cm」は隣地との協議で小さくできる場合もあり、実際50cm取られていない家もたくさん建っています。
個別の折衝次第のところがあるので、土地探しの段階では最低50cmは建てられないと思っておく方が無難です。

狭小住宅|好条件で実現した我が家の現状

我が家はたまたまいい条件(制限が緩い)の地域に建てられていて、かつ8戸一括でミニ開発された敷地なのでさらなる変化球が可能でした。
どういうことなのかご紹介します。

①|制限の緩い敷地

我が家は駅が近いので、住宅地というより商業地の中に建っている家という感じになっています。
商業地は文字通り商業のための土地なので、日照などの居住空間を守るより商売優先で大きくて背の高い建物を建てられるような仕組みになっています。

なので、購入した敷地は
建ぺい率80%、容積率300%、道路斜線制限が1.5、隣地斜線制限が2.5、第3種高度地区
という条件でした。

探していたエリア内でよく出ていた条件は
建ぺい率60%、容積率200%、道路斜線制限が1.25、隣地斜線制限が1.25、第2種高度地区
でした。

図で比較するとこんな感じです▼

建ぺい率、容積率の説明のイラスト
道路斜線、高度地区制限の説明のイラスト

少しわかりくいですが、上の水色の範囲内しか建物を建てられません。
我が家は土地の条件のおかげで三階が斜めに削られることもなく、各階同じ平面形状が可能となっています。

②|隣家にほぼ接した外壁

5m×8mの40㎡で民法の外壁後退50cmを守ろうとすると、28㎡の大きさの建物しか建ちません。
建ぺい率の計算上は32㎡の大きさが可能です。
でも、我が家はミニ開発で8戸一帯で開発されていて、同じ開発区域内に隣接する建物は、ほぼ接しています。

図示するとこんな感じです▼

一帯開発された建物のイラスト

一見すると、連棟の家です。
隣家をほぼ接することにより、建ぺい率を使い切った広い(狭いけど)1フロアが実現しました。

この方法は工事にも制約が出るため一帯の開発ではないと難しい条件ですが、我が家は建売の良さを生かした狭小敷地になっていました。

③|ほぼ長方形のシンプルな形状

ミニ開発された敷地内なので区画割を人工的にしていることもあり、我が家はほぼ長方形の敷地になっています。
また、隣家と接した面には窓がないので、壁が多くなりインテリア的には使いやすい内装です。

色々な好条件が重なって、40㎡という狭小敷地の割にはまともな平面の家が実現しました。

狭小住宅|検討している方へ

最後に、狭小住宅にしようと検討されている方に向けて、アドバイスを書いてみます。

多少の不便を楽しめるか確認する

基本的には階段が多く、生活動線が分断されがちなのが狭小住宅です。
その不便さを楽しめる方じゃないと、ストレスになる可能性があります。
狭小住宅は使い勝手に100点を求めるのは難しいですが、その分普通の家では選択できないアイデアを採用することもできます。
工夫を楽しめるのであれば、便利な場所に安く土地を手に入れられる可能性があるので、個人的にはおすすめです。

建築の専門家の意見を聞く

不動産屋さんは土地取引のプロですが、建築の専門家ではありません。
どんな大きさの建物が建てられるかは建築家に確認した方が安心です。
また、狭小敷地は工事が難しい場合があるので施工してくれる会社があるかどうかも確認しておいた方が安心です。

信頼できる専門家を見つけるのがまた難しいのですが、、、不動産屋さんから紹介してもらうか、ネットで近くの業者を探すのが良いと思います。

終の住処にするか否かを考えておく

狭小住宅は、高齢になって身体が不自由になった後も住み続けるのはおすすめできません。
ある程度の年齢で、住み替えることを頭に置いて購入を検討すべきだと思います。
狭小地は便利なところにあるはずなので、利便性を売りにすれば買い手は見つかります。(と思いたい。)

あとがき

以上、狭小敷地のお話でした。
我が家は好条件が重なって住みやすい家になりましたが、12坪の敷地はかなり冒険が必要な狭さです。
建て替え時期が来たら、手続きや工事が大変になりそうだなーと思っています。

それまでに住み替える予定ですが、どうなるかは子どもたちの進学先やタイミング次第。
今は不満はないので、引き続きこの家での暮らしを楽しみたいと思います。

「住んでみた感想」シリーズはこちらから▼

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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