キッチンガーデンを楽しむ暮らし。つばた夫妻の『人生フルーツ』で理想の暮らしを想像する。

こんにちは、充実した毎日を過ごしたいと思っている091です。
たまには他の方の素敵な暮らしを見て、妄想に浸りたい時もあります。

本日は津端修一さんと英子さん夫妻の暮らしについて。
建築家の津端修一(つばたしゅういち)さんと妻・英子(ひでこ)さんの晩年の暮らしが、本&ドキュメンタリー映画で紹介されています。

半自給自足の生活を送りながら、必要なものを作ったり、街に出かけて馴染みの店で買い物したり。
私も晩年はこんな暮らしを送りたいなと思う暮らしぶりで、心が暖かくなります。

そんな暮らしが描かれた、映画と本をご紹介します。

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映画は各地のミニシアターでアンコール上映中です。

この記事はこんな方におすすめです▼

  • ゆっくりした生活に憧れている方
  • 自給自足生活を送ってみたい方
  • おすすめの本や映画を知りたい方
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つばた夫妻のキッチンガーデンを楽しむ暮らし

津端修一さんと英子さん夫妻の暮らしは、映画と書籍で紹介されています。

つばた夫妻とは

つばた夫妻は、晩年の愛知県・高蔵寺ニュータウンの一角でキッチンガーデンを楽しむ暮らしが注目された夫婦です。

1928年生まれの妻・英子さんは、愛知県半田市の老舗の造り酒屋で育ち、27歳で修一さんと結婚。
専業主婦として夫を支え、二人の娘を育てます。

1925生まれの夫・修一さんは、東京大学を卒業後、建築家アントニン・レーモンドの事務所を経て日本住宅公団に入社し、エースとして活躍したそうです。
数々の都市計画を手がけ、終のすみかとなった高蔵寺ニュータウンも設計。
ただ経済優先の時代、自然との共生を目指した理想とは程遠い無機質な団地になってしまいました。

そのニュータウンの一角を買って、家を建て、雑木林を育て始め、夫婦で晩年を暮らします。
夫の修一さんは2015年に90歳で、妻の英子さんも後を追うように2018年に90歳で亡くなられたそうです。

映画:人生フルーツ

映画『人生フルーツ』は、東海テレビが制作したドキュメンタリー映画です。
2016年3月に放送された番組を劇場版として再編集したもので、2017年1月に「ポレポレ東中野」で上映されたあと全国のミニシアターで順次公開されています。

驚きなのは、5年経った今でもアンコール上映されていて、数は少ないものの全国のミニシアターで見ることができます。

劇場情報は公式HPで確認できます。

書籍:あしたも、こはるびより 他

映画『人生フルーツ』よりも前から、書籍が数冊発売されています。

  • あしたも、こはるびより。(主婦と生活社、2011)
  • ききがたり ときをためる暮らし(自然食通信社、2012)
  • ひでこさんのたからもの(主婦と生活社、2015)
  • ふたりからひとり〜ときをためる暮らし それから〜(自然食通信社、2016)
  • きのう、きょう、あした。(主婦と生活社、2017)

キーワードは「時をためる暮らし」。
夫婦寄り添って日々を丁寧に過ごしている、そんな日常が書かれています。

映画『人生フルーツ』とは

映画『人生フルーツ』は、建築家の津端修一さんと妻の津端英子さんの暮らしを追う、ドキュメンタリー映画です。

高蔵寺ニュータウンの雑木林に囲まれた一軒の平屋を舞台に、キッチンガーデンで70種の野菜と50種の果実を育て、修一さんは身の回りの道具を使いやすく加工し、英子さんは料理や刺繍、編み物、機織りをして暮らす。
そんな日々の暮らしを淡々と追った映画です。

忙しい都会の暮らしとはまた違った意味で忙しい毎日を過ごす津端夫妻の、日々の暮らしのところどころに参考になるアイデアが散りばめられていて、いつかこんな暮らしがしてみたい、と妄想したくなる映画。

もともと「テレビの取材はお断り」と言っていた津端さん側でしたが、監督の熱烈ラブレターによって了承いただけたとのこと。
かけがえのない瞬間も映像に残されていて、信頼関係ができていたからこそこの映画が撮れたんだなと思いました。

映画『人生フルーツ』のここが好き

個人的な感想ですが、好きなところがいくつかあります。

半自給自足の生活

広い庭には長方形に区画されたキッチンガーデンがあり、四季折々の野菜と果実が植わる津端家。
取れた果実でジャムを作ったり、毎日の食卓でとれたて野菜を食べたり、羨ましい生活を送っています。
特に気になったのは、キッチンガーデンで活躍している、手作りの「黄色い看板」。
それと「種子の保管方法」に、手を加えた「道具類」。
時に大変な畑仕事を少しでも快適に使いやすくする工夫に、真似したくなる要素が満載でした。

名古屋での買い物

年金が入ったら名古屋までバスと電車を乗り継いで、何年もお世話になっているなじみの肉屋さんや魚屋さんで2ヶ月分の食料を買う、というシーンが出てきます。
買ってきたものを下拵えしたり冷凍したりして、毎日の食卓で少しずつ食べる。
普段便利な東京に暮らしていると、買ってすぐ食べるのが当たり前になっているけど、2ヶ月先の分まで考えて行動する、足りないものは足りないなりに工夫して料理する、その考え方に新しい着眼点を得られた気がします。

ドールハウス辺りから号泣

孫のはなこさんのために、木と布でドールハウスを作ったシーンが出てきます。
この辺りからなぜか涙腺崩壊。
最後の方まで人目を憚らず号泣してしまいました。
ラスト以外泣けるシーンは無かった気もするのですが、何だかじわじわ、感動できる映画でした。

よい映画です。

映画『人生フルーツ』と一緒に読みたい本

『人生フルーツ』を見る前に、本屋さんで立ち読みして購入した本が『あしたも、こはるびより』でした。
実は同じ著者とは知らずに、別で紹介されて『人生フルーツ』を見たので、なんか知ってる、、、と思った記憶があります。

ドキュメンタリー映画の撮影が始まったのが2014年3月なので、書籍の方が先に出版されています。
でも「原作」という感じではないので、どちらを先に見ても楽しめると思います。
個人的には書籍を先に読んで映画を見た方が細部まで楽しめるので、おすすめです。

以下の三冊は、修一さんが生きている時代。

  • あしたも、こはるびより。
  • ききがたり ときをためる暮らし
  • ひでこさんのたからもの

以下の二冊は、英子さんひとりになってからの物語です。

  • ふたりからひとり〜ときをためる暮らし それから〜
  • きのう、きょう、あした。

映画『人生フルーツ』は前半の、お二人での暮らしが描かれています。

書籍『つばた夫妻の本』のここが好き

上でご紹介した本の中で、私の本棚にある本は2つ▼

  • あしたも、こはるびより。
  • ききがたり ときをためる暮らし

です。

それぞれの季節で手作りの保存食を楽しんだり、
伝言板で夫婦の会話を繋いだり、
得意なことを役割分担したり、
本当にささいな暮らしが記されているのに、なぜか真似したくなるアイデアが満載です。

よくよく読むと、若い頃の散財で老後の蓄えがないとか、修一さんの身勝手に付き合わされた英子さんのこととか、今の若い世代からは考えられない破天荒?ぶりも垣間見える本ですが、人生の最後をこんな暮らしで締めくくれたら素敵だなと思います。

「記録がきちっと整理されてストックされていくと、人生がだんだん美しくなっていく」

レシピも載っていたり、キッチンガーデンの裏話も載っていたりして、手元に残して何度も読みたくなる本です。

あとがき

以上、『人生フルーツ』と『一緒に読みたい本』のご紹介でした。
つばた夫妻の暮らしぶりを紹介したいと思ったら、映画と書籍の話になってしまいました。

大学時代の恩師におすすめされて、軽い気持ちで見てみた『人生フルーツ』。
2019年9月にユジク阿佐ヶ谷という閉館してしまったミニシアターで見たこともあり、深く印象に残る映画になりました。

近くの映画館で上映されていたら、是非足を運んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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